近年グローバル化・デジタル化の加速に伴って、企業に働く人々の情報量は膨大なものとなり、ビジネスは世界規模で時差を超えて24時間稼働状態になっています。また、オンラインでのコミュニケーションが圧倒的に増え、対面での会話や会社以外のコミュニティでの交流が減少し、人と人との厚い信頼関係を築く機会が減少しています。
このような急激な環境変化が、企業に働く人々のストレスを高めるとともに、精神的な拠り所や回復の機会を奪い、メンタルヘルス不調者やその予備軍が急速に増えてきています。三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)もその多くはストレスが原因や起点になっており、ストレス・マネジメントは各企業・組織にとって深刻な課題となっています。
この状況を踏まえ、私どもは、産官学・医農福の連携によって最先端のストレス計測技術の開発・普及を促進するとともに、農山漁村の自然や森林の健康効用を活用した「健康で幸福度の高いワーク・ライフスタイル」の開発・普及や、健康な食の仕組みづくりを促進するための「共創の場」として当社団を設立いたしました。
また、社団の活動を通じて農業や園芸をライフスタイルとして楽しむ「ウェルビーイング・ファーマー」を増やし、農業人口の拡大や都市から地方への人の流れを創り出し、ウェルビーイングな地域社会の実現に貢献していきたいと考えています。
小林直樹
Well-being in Nature代表理事
ヤンマーホールディングス参与
1959年、岡山県生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、ヤンマーに入社。オランダ、中国、インド、シンガポールでの駐在や、アグリ事業および人事・総務の担当役員を経験。